不動産業界に長く携わっていると、不思議な現象を目にします。
それは、決して知識や能力が低い人が騙されるわけではないということです。
むしろ、不動産投資で大きな損失を抱える方の多くは、
・医師
・公務員
・上場企業勤務
・経営者
・士業
など、社会的信用が高く、高年収の方々です。
私はリーフクリエーションの森下として、不動産仲介や管理業務、事業用不動産の売却支援、そして投資用不動産トラブルの相談を受ける中で、多くの共通点を見てきました。
そして、その背景には「倫理観のない営業担当者」と「確認を怠った投資家」の危険な組み合わせがあります。
なぜ騙されるのか
多くの方は、
「自分は騙されない」
と思っています。
しかし実際は逆です。
知識がある人よりも、社会的成功を収めた人の方が営業担当者を信じてしまうケースがあります。
なぜなら、自分自身が誠実に仕事をしているため、
「相手も同じだろう」
という前提で話を聞くからです。
一方で、倫理観のない営業担当者は、
・手数料を優先する
・契約件数を優先する
・会社の利益を優先する
という思考で動きます。
顧客の利益ではなく、自分の利益を中心に考えています。
その結果、
「満室です」
「利回りは高いです」
「将来値上がりします」
「今買わないと無くなります」
という言葉で判断を急がせます。
騙された人の共通点
私が相談を受ける案件には、次のような特徴があります。
①属性が高い
医師、公務員、上場企業勤務など。
金融機関からの融資が付きやすいため、営業のターゲットになりやすい。
②年収が高い
年収が高いほど融資可能額が大きくなります。
つまり、購入できる物件価格も高くなります。
その結果、損失額も大きくなります。
③ワンルーム投資から始める
最初は数百万円から数千万円。
その後、
「次は一棟です」
「もっと規模を大きくしましょう」
と勧められます。
成功体験があるため警戒心が薄れます。
④業者を信じてしまう
本来、営業担当者は売り手側です。
しかし多くの人は、
「この人は自分の味方だ」
と思い込んでしまいます。
ここに大きな落とし穴があります。
⑤忙しい
医師や会社員は本業が忙しい。
そのため、
・現地確認
・役所調査
・賃貸需要調査
を行わないまま契約します。
⑥現地を見ない
これが最も危険です。
写真だけで判断する。
動画だけで判断する。
資料だけで判断する。
実際に行けば、
「なぜ空室が多いのか」
「なぜ家賃が安いのか」
「周辺環境はどうなのか」
が分かる場合があります。
⑦契約書を読まない
契約書も重要事項説明書も読まず、
「先生、ここにハンコください」
で終わるケースがあります。
後になって、
「聞いていない」
と言っても、
書類には記載されていることが少なくありません。
⑧投資を事業として考えていない
最大の問題はここです。
株式投資の感覚で不動産を買う人がいます。
しかし不動産は事業です。
・入居者募集
・建物維持
・修繕
・資金管理
・賃貸管理
を伴う経営です。
事業として理解していないと、表面利回りだけで判断してしまいます。
金融機関担当者にも注意
融資担当者がいるから安心。
そう考える方もいます。
しかし金融機関は投資判断を代行する組織ではありません。
融資担当者の目的は融資を実行することです。
もちろん誠実な担当者も多くいます。
しかし倫理観の欠けた担当者であれば、
「融資が通る=良い物件」
という誤解を利用することがあります。
融資承認と投資判断は全く別です。
金融機関が融資するから安全なのではありません。
投資家自身が判断しなければなりません。
騙されないための8つのポイント
①必ず現地へ行く
写真ではなく自分の目で確認する。
②昼と夜を見る
昼は良くても夜は全く違う街になることがあります。
③周辺の競合物件を見る
近隣家賃との比較は必須です。
④レントロールを鵜呑みにしない
入居状況や家賃の妥当性を確認する。
⑤第三者に相談する
販売業者以外の意見を聞く。
⑥契約書を読む
理解できるまで質問する。
⑦出口戦略を考える
買う前に売却方法を考える。
⑧「なぜ売るのか」を考える
売主が売却する理由は必ずあります。
そこを調べることが重要です。

私たちの役割
リーフクリエーションでは、不動産を単なる金融商品として扱うのではなく、
「そこに暮らす人」
「地域」
「事業」
「将来の価値」
を含めて考えています。
近年、不動産は金融商品化が進みました。
しかし本来、不動産は地域社会を支えるインフラです。
数字だけを見て判断すると、人の暮らしや地域の価値を見失います。
だからこそ私たちは、
・事業用不動産の売却支援
・不動産仲介
・賃貸管理
・投資用不動産トラブルの相談
を通じて、
「買う前に相談できる存在」
でありたいと考えています。
不動産投資で最も重要なのは、利回りでも節税でもありません。
信頼できる人を選ぶことです。
そして、その信頼は肩書きや会社の大きさではなく、
現地を見ているか。
リスクを説明しているか。
売買後も責任を持つか。
そこに表れます。
不動産は人生で最も高額な買い物の一つです。
だからこそ、「誰から買うか」以上に、「自分で確認する姿勢」を持つことが、最大のリスク回避になるのです。