不動産屋、生命倫理を考える

こんにちは。リーフクリエーション広報です。当社は、不動産業界における社会への貢献と新しい価値の創造を常に追求しています。その一環として、先日、当社社長の森下が生命倫理の分野で著名な杏林大学保健学部の准教授、角田ますみ先生と高齢社会における住まいのあり方について対話を交わしましたので、ご報告いたします。この対話は、不動産業界と生命倫理学がどのようにして人生の質を向上させることができるかを探る、とても貴重なものとなりました。

角田ますみ先生
早稲田大学卒業、早稲田大学大学院修了、博士後期を経て杏林大学へ。准教授。専門は、バイオエシックス(生命倫理)で主にアドバンス・ケア・プランニング(ACP)などの人生における意思決定支援のあり方を研究されています。

杏林大学保健学部准教授 角田ますみ|Official Site

角田先生との出会い

角田先生には、当社のほうから対談を申込みました。理由は、医療者、研究者というだけでなく、生活者としての視点も持ち合わせた、ぬくもりのある方だと感じたからです。たとえば、先生が発信されている出版社のnote「いろどりイロイロ意思決定」にはこんなエッセイがあります。

「だいぶ古くなった木造家屋は、ところどころ朽ちていて、外から見るともう誰も住んでいないあばら屋のようだ。それでも時折、洗濯物が荒れた庭先に干してあったりするので、かろうじて人が住んでいることがわかる。今日は襟の伸びた男性ものの肌着や酒屋の名前が入ったタオルが風にはためいていた。立て付けの悪いドアを開けると…。」

参照【第9回】真砂なす数なき星のその中に|へるす出版 (note.com)

このくだりを読んだ時、「ああ、こういう家、あるよなあ」と不動産屋的に苦笑し、しかし、角田先生がエッセイの冒頭でこのような情景を描いたのは、きっとこの先生は「住まい」も大切にする方ではないかとひらめいたのです。当社はいつも空き家や人生についてなにかアクションをしたいと考えているので、そんな先生の視点に勝手に共感し、対話の申し出をさせていただきました。

不動産と生命倫理の接点

不動産業と生命倫理。一見かけ離れたテーマのようですが、僭越ながら、ひらめきは正解。

「家とは、そこに住む人々の生活や記憶、絆が形作る場所であり、人生の多くの瞬間が刻まれる場所だ」と語る森下と、「住まいは物理的な構造物ではなく、その中で生活する人々の物語や歴史を内包しているもの」と考えられている角田先生。根っこは同じだと感じました。それは、人生への愛着といえばいいのでしょうか。そのような二人の対談は静かに盛りあがり、対話の終わりのには、角田先生は、「医療者はもっと、生活に関心を持たいないですね。住まいについても…」と語ってくださいました。森下も、角田先生が専門にされている生命倫理や「人生会議」(※)に心を寄せて「学んで行こう!」と感じたようです。

人生会議

もしものときのために、あなたが望む医療やケアについて前もって考え、家族等や医療・ケアチームと繰り返し話し合い、共有する取組のこと。

「人生会議」してみませんか|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

リーフクリエーションの取り組み

角田先生と対話を機会に、リーフクリエーションでは、不動産をただの物理的な空間としてではなく、人生の質を高めるためのプラットフォームとして捉え直すことを改めて目指すことといたします。たとえば、人生の最終段階のケアが必要な方々に適した住環境の提供や、家族が人生会議を行いやすいコミュニティスペースの開発など、新しい取り組みを模索していきます。ちなみに「人生会議」とは、将来にわたって自分が望む医療やケアについて、家族や医療・ケアチームと事前に話し合い、共有する取り組みのこととのこと。森下は、「このプロセスの中に、不動産会社も入っていかないとね。」と申しております。

むすびに

角田ますみ先生との対話をきっかけとして、リーフクリエーションは、不動産が人々の生命倫理にどのように貢献できるかを深く考え、社会に新たな価値を提供していくことをお約束します。人生の質を高め、尊厳ある生活を支援するために、私たちはこれからも挑戦を続けてまいります。